院長ブログ 2022.04.12
健康長寿への運動器維持管理~ロコモ フレイル サルコペニアとは?~
我国では高齢者の要介護認定者が、最近10年間で、250万人から700万人と著しく増加しており、社会問題化しています。
図を見ていただくと、要介護になった原因は、骨折、転倒、関節疾患を含む「運動器の障害」が4分の1を占めています。
このことから、介護予防のためには、運動器疾患を予防することが課題です。
その課題を考えていく上で、以下の3つの概念をご紹介します。
①ロコモーティブシンドローム
②フレイル
③サルコペニア
①ロコモーティブシンドローム(以下"ロコモ")
移動するための能力が不足したり衰えたりした状態です。
診断基準として、立ち上がりテスト、ステップテスト、ロコモ25テストがあります。
分かりやすく判断するために、40㎝の台から片足で立ち上がれるかで判断し、難しい場合は要介護の入口に立っているとします。
②フレイル
健康な状態と要介護状態の中間に位置している状態です。
筋力低下により、転びやすくなるような身体的な問題や、認知機能の低下等がみられます。
③サルコペニア
加齢による筋肉量の減少、筋力の低下のことです。
歩く、立ち上がる等の日常生活の基本的な動作に影響が及び、介護が必要になる状態です。
この3つの概念は、図のように深く関連し合っており、独立した概念ではありません。
少しややこしい話のため、例え話に置き換えます。
ある高齢者Aさんがいるとします。
Aさん・・・腰・膝に痛みあり。
しかし、日常生活に支障はない程度。
40㎝の低い台から片足で立ち上がれる。
↓
長引くコロナ禍で外出自粛を余儀なくされる。
運動不足の結果、歩く能力の低下。
低い台から立ち上がるのが困難。・・・ロコモ
↓
外出がおっくうになり引きこもり状態に。
脳への刺激が少なくなり、認知症が悪化。・・・フレイル
↓
長期間続くことで全身の筋力の低下が進行。
寝たきりの要介護状態に。・・・サルコペニア
Aさんのように進行していくのを防ぐために、ロコモの疑いがあった時点で、少しでも意識的に運動することが大切です。
特にスクワットがオススメです!ぜひ行ってみてください。
健康長寿・元気で素敵な明日を迎えましょう!