スタッフブログその他リハビリ整形外科運動療法 2024.07.01
子供とロコモティブシンドローム
〇ロコモティブシンドロームとは
「ロコモティブシンドローム」は、高齢者や身体障害者などの移動能力が低下し、日常生活での活動が制限されることを言います。「locomotion(移動)」と「syndrome(症候群)」から派生しています。
高齢者や身体障害者が運動不足や日常的な活動の制限により、筋力や関節の柔軟性が低下し、徐々に身体機能が衰えていきます。
これには筋力低下、バランスの悪化、歩行能力の低下などが含まれます。
ロコモティブシンドロームが進行すると、転倒や骨折、日常生活の制約などが起こりやすくなります。
〇子供とロコモティブシンドローム
ロコモティブシンドロームは、一般的に高齢者の歩行機能低下に関連した症候群であり、子供との直接的な関係はありません。
しかし、近年は体を動かす遊びをする機会が減少傾向にあります。
そのため、筋肉や骨、関節など運動器の障害により「立つ」「歩く」といった基本的な運動能力が低下します。
最近、しゃがめない、片脚立ちでふらつくといった子どもが増え問題になっています。
〇4割の子供に機能不全
ある調査では、幼稚園児から中学生までの1343人を対象に行った結果
〔1〕片脚でしっかり立つ
〔2〕腕を真っすぐ上げる
〔3〕しゃがみ込む
〔4〕体を前屈させる
という基本動作が一つでもできない子どもが約4割に上り、運動機能不全の兆候が見られました。
子供の体は柔軟ですが、筋肉の柔軟性やバランスが損なわれ、関節の動きが悪くなっている子供が増えています。
特に肩甲骨の動きが重要で、進行すると猫背や腰痛、肩凝り、頭痛などを引き起こすこともあります。
周囲の大人がその変化に、気づけるかも重要になってきます。
〇ロコモ体操
子どもロコモは、運動不足やゲームのし過ぎなどで姿勢が崩れていることが要因です。
生活習慣を見直すことが大切ですが、早期に効果をあげるためには「子どもロコモ体操」が必要です。 両手を組んだまま手のひらを上に向けて背伸びすると、肩甲骨が引き上げられ姿勢が改善します。
また、股関節から体を折るようにお辞儀して、膝を曲げ両手を床に着け、そのままゆっくり膝を伸ばすと、前屈しやすくなります。
体を動かす遊びを生活に取り入れることが、最善の解決法ではないかと考えられます。