院長ブログ 2021.09.11
湿布の効果は何時間?いつ貼るといい?
整形外科でよく使われる貼布剤
患者さんからよくお受けする質問について説明します。
皆さん湿布を使ったことはありますか?
湿布は市販されているため入手しやすく、使いやすいため、多くの方に使用経験があるのではないでしょうか?
しかし、きちんと正しく使えているのか、気になることはありませんか?
患者さんからお受けする質問として、「湿布は何時間効きめがあるの?」 「いつ貼っていつはがせばいいの?」
などがあります。今回は、湿布薬の正しい使い方について説明します。
湿布の効きめは何時間くらい?
湿布薬を作用時間で分類すると「1日1回貼付」のものと「1日2回貼付」の2つに分けられます。
「1日1回貼付」タイプのものであれば、大体8~10時間くらい貼れば、成分の多くは既に皮膚に浸透しているため、剥がした後も効果が持続します。
以下に2つのタイプの湿布薬を少しご紹介します。
ー1日1回貼付(1日持続)ー
・モーラステープ
・モーラスパップxr
・ロキソニンパップ/テープ
・ロコアテープ など
-1日2回貼付(半日持続)ー
・モーラスパップ
・アドフィードパップ
・セルタッチパップ/テープ など
湿布はいつ貼るのがいいの?
一般に湿布薬を貼るのは、お風呂上りが良いと言われています。
皮膚の汚れや油分が洗い流された状態なので湿布薬がしっかりと吸着し、かぶれも起こりにくくなります。
また、体が温まり、血行が促進されている状態だと効果を発揮しやすいです。
汗をかいている場合は少し時間をあけて、落ち着いてからにしてください。
湿布はいつ剥がすべき?
次の湿布薬を貼る直前まで前の湿布薬を貼り続けている人が多いのですが、実はその必要はないのです。
「1日1回貼付」タイプであれば、8~10時間程度、
「1日2回貼付」タイプであれば、4~6時間程度でOKです。
そのため、お風呂上がりに貼った場合は、朝起きたときに剥がすくらいが良いのではないかと思います。
皮膚が弱くかぶれやすい方などは、皮膚への負担を軽減するためにも早めに剥がした方が良いです。
湿布の副作用は?
安全な薬である湿布薬にも副作用があります。正しく理解し使用することが重要です。
①皮膚炎・皮膚のかぶれ
薬剤や添加物が皮膚に接するため、それが刺激となって皮膚炎を起こしてしまうことがあります。
湿布薬を使用する際は、皮膚が炎症を起こしていないか注意してください。
②光線過敏症
湿布薬の中でモーラスというものがあります。
モーラスにはケトプロフェンという物質が含まれています。
ケトプロフェンが浸透している皮膚に、紫外線が照射されることで過敏症が起きてしまうことがあるので、注意が必要です。
③温湿布によるかぶれ
温湿布に含まれているトウガラシエキスは、皮膚に対する刺激が強いです。
血行が良い状態で貼ると、かぶれてしまう可能性が高まります。
お風呂上がりに温湿布を貼る場合、最低でも30分程度経ってからにしましょう。
まとめ
今回は湿布薬の使い方や注意点についてまとめてみました。
湿布薬の特徴や、意外と知られていない注意点もあったのではないかと思います。
湿布薬は身近な薬だと思いますので、使い方を正しく理解して安全に使用してください。